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漢方薬剤師になるには?資格・年収・キャリアを解説

薬剤師のキャリアを調べていると、「漢方薬剤師」という働き方が気になりますよね。

私もこのサイトを運営する中で、健康への関心の高まりとともに、漢方への注目度が上がっていることを感じています。

漢方薬剤師になるには」どうすれば良いのか、特別な国家資格が必要なのか、資格取得の難易度や費用はどれくらいか。

また、実際の仕事内容や年収、将来性はどうなのか、気になる点は多いと思います。

民間資格である漢方養生指導士や、より専門的な国際中医師との違いが分からないという方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、そうした疑問を解消するために、漢方薬剤師への道筋を詳しくまとめました。

記事のポイント

  • 漢方薬剤師になるための必須条件
  • 中核資格「漢方薬・生薬認定薬剤師」の詳細
  • 資格取得の難易度と合格率の推移
  • 漢方薬剤師の年収とキャリアパス

「漢方薬剤師になるには」まず何が必要か?

「漢方薬剤師になるには」まず何が必要か?

「漢方薬剤師」という響きには専門性が感じられますが、その第一歩はどこから始まるのでしょうか。

まずは、漢方薬剤師を目指す上での絶対的な前提条件と、中核となる資格の全体像を解説します。

漢方薬剤師に国家資格はある?

漢方薬剤師に国家資格はある?

まず最も重要な点として、日本には「漢方薬剤師」という名称の独立した国家資格は存在しません。

これは、薬剤師の資格を基盤に、漢方薬や生薬に関する高度な専門知識と臨床スキルを習得した方を指す「呼称」や「市場での評価」に近いものです。

例えば、医師が「循環器内科専門医」や「消化器外科専門医」といった学会認定の専門医資格を持つように、薬剤師も「がん専門薬剤師」や「精神科専門薬剤師」、そしてこの「漢方薬・生薬認定薬剤師」といった専門分野での認定資格を持つことで、その高い能力を示しています。

中国の「中医師」のような、漢方医学(中医学)を専門とするための独立した国家資格制度は、現在の日本には導入されていない点を、最初に正確に理解しておく必要があります。

大前提は薬剤師免許の取得

大前提は薬剤師免許の取得

漢方薬剤師として漢方薬の調剤や服薬指導、相談販売といった業務を行うためには、日本国の「薬剤師免許」を保有していることが絶対的な前提条件です。

なぜなら、医療用・一般用を問わず、医薬品の調剤や販売、専門的な情報提供・指導は、薬剤師法に定められた薬剤師の独占業務だからです。

漢方薬も例外なく医薬品(医療用漢方製剤、一般用漢方製剤など)に分類されるものが大半を占めます。

したがって、薬剤師免許を持たない方が「漢方薬剤師」を名乗って医療行為や医薬品の販売・指導に携わることは法的に認められていません

この強固な法的基盤こそが、漢方薬剤師という専門職の信頼性の根幹となっています。

 

「漢方薬・生薬認定薬剤師」とは

「漢方薬・生薬認定薬剤師」とは

薬剤師免許という強固な土台の上に、漢方の専門性を公的に証明する制度として、現在最も権威があり、広く認知されているのが「漢方薬・生薬認定薬剤師」制度です。

これは、薬剤師の生涯研修を支援する公益財団法人 日本薬剤師研修センターと、生薬学の専門家が集う一般社団法人 日本生薬学会が共同で運営・認定する公的な制度です。

この制度は、薬剤師が漢方薬・生薬という専門業務分野において「あるレベル以上の能力と適性を持っている」ことを試問(試験)等によって確認し、その能力を客観的に証明するものです。

認定を取得することにより、薬剤師は患者さんや医師、他の医療従事者に対し、漢方薬・生薬に関する情報を自信を持って提供できるようになります。

したがって、「漢方薬剤師になるには」と具体的にキャリアを考える場合、実質的にこの認定資格の取得を目指すことが、専門家への最も標準的で信頼される第一歩となります。

「漢方薬剤師になるには」中核資格の難易度

「漢方薬剤師になるには」中核資格の難易度

では、その中核資格である「漢方薬・生薬認定薬剤師」は、どのように取得するのでしょうか。

ここでは、具体的な研修内容、費用、そして最も気になる試験の難易度や合格率について詳しく見ていきましょう。

研修はe-ラーニングでも可能

研修はe-ラーニングでも可能

この認定の研修会は、「日本国の薬剤師免許」を持っていれば受講できます。

薬剤師としての実務経験年数などは問われません。

受講形態は、ライフスタイルや居住地に合わせて以下の2種類から選択可能です。

研修内容は座学研修の収録映像が使用されるため同一であり、質に差はありません。

e-ラーニングが充実しているため、地方在住の方や、病院・薬局勤務でシフトが不規則な方でも、自分のペースで学習を進められる点は大きなメリットです。

全国の薬剤師に平等な学習機会が提供されています。

必修の薬用植物園実習

必修の薬用植物園実習

研修は、知識を学ぶ「講義」と、実物を学ぶ「実習」の二本柱で構成されています。

  • 講義研修:9回の講義(合計約45講演)で構成され、漢方医学の基礎理論から診断学、方剤学、臨床応用までを体系的に学びます。
  • 薬用植物園実習(必修):全国約50か所の薬用植物園で、1回の実習参加が必修とされています。


なぜ薬用植物園実習が「必修」なのか?

この「薬用植物園実習」が必修である点は、この制度の重要な特徴です。

私たち薬剤師は通常、調剤室で完成された「製品(エキス製剤や刻み生薬)」を扱いますが、この実習ではその「原料」である生薬が、どのような植物(Materia Medica)として生育しているかを直接観察します。

これは、JPECの認定制度が単なる処方(方剤学)の知識だけでなく、その根幹にある「生薬学」への深い理解を薬剤師に求めていることの表れです。

植物としての形態や栽培環境を五感で知ることは、生薬の品質管理や、患者さんへの説明に圧倒的な深みをもたらします。

資格取得にかかる費用

資格取得にかかる費用

漢方薬・生薬認定薬剤師」の資格を新規で取得するために必要な費用は、合計で 82,500円(税込)です(2024年6月時点)。

内訳は以下の通りです。

  • 研修会受講料:60,500円(税込)
    (9回の講義研修、1回の薬用植物園実習、および当該年度の試問(試験)受験料1回分が含まれます)
  • 認定申請審査料:22,000円(税込)
    (これは研修会受講料とは別途必要です。

試問に合格した後、JPECに認定薬剤師としての登録を申請する際に支払います)

決して安い金額ではありませんが、専門性を高めるための自己投資として、その価値を判断する必要がありそうですね。

あくまで目安の金額としてお考えいただき、最新の正確な情報は必ず日本薬剤師研修センターの公式サイトでご確認ください。

 

認定試験の難易度と合格率

認定試験の難易度と合格率

研修を修了した薬剤師は、認定の最終関門である「試問(筆記試験)」に臨みます。

試験は年に1回、全国数か所の会場で実施されます。

受験資格の注意点

試問の受験資格を得るには、以下の2つの条件を両方とも満たす必要があります。

  1. 講義研修(座学またはe-ラーニング)の8割以上に出席・修了していること。
  2. 薬用植物園実習を修了し、提出した実習レポートが「合格」と判定されていること。

特に重要なのは後者です。

たとえ講義研修を100%修了していても、必修である薬用植物園実習が未受講、またはレポートが不合格の場合は、試問の受験資格自体が与えられません

レポートが不合格になるケースとしては、内容の不備や要件を満たしていない場合などが考えられますので、実習後のレポート作成まで気を抜かずに取り組む必要があります。

難易度と合格率の推移

この認定試験の難易度について、過去の情報と現在とでは大きな違いがあり、注意が必要です。

端的に言えば、近年明確に「上昇傾向」にあります。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2016年度 493人 471人 95.5%
2017年度 579人 532人 91.9%
2018年度 533人 502人 94.2%
2019年度 569人 436人 76.6%
2020年度 347人 241人 69.5%

(出典:薬読のデータを基に作成)


合格率の急落が示すこと

上記の表が示す通り、2018年度までは90%を超える非常に高い合格率(事実上、研修を受ければほぼ合格できる試験)でした。

しかし、2019年度に合格率は約77%へと突如下落し、2020年度には約70%と7割を切りました。

この合格率急落の理由は公式には発表されていませんが、業界の動向から推測すると、「研修を受けた」という事実だけではなく、「専門家としてのレベルに達しているか」を厳しく問う試験へと質的に転換した可能性が高いです。

合格率が95%を超え続けると、「誰でも取れる資格」と見なされ、認定の市場価値が希薄化する恐れがあります。

認定団体(JPEC・日本生薬学会)が、資格の「質」と「専門家としての希少性」を担保するため、意図的に難易度を引き上げ、単なる知識の暗記ではなく、臨床応用力や思考力を問う問題へシフトしたと考えられます。

したがって、「漢方薬・生薬認定薬剤師」を目指す方は、過去の「簡単だった」という情報を鵜呑みにしてはいけません。

現在の認定試験は、約3割が不合格となる難易度の高い試験へと変貌しています。

対策としては、公式サイトで公開されている過去問、特に難易度が上昇した2019年度以降のものを徹底的に分析し、変化した出題傾向に対応した学習が必須です。

資格の更新方法と単位

資格の更新方法と単位

この資格は、一度取得したら終わりの「永久資格」ではありません。

専門性を維持・向上させるため、厳格な更新制度が設けられています。

認定期間は3年間です。

この認定を維持するには、3年ごとに更新申請を行い、以下の単位要件をすべて満たす必要があります。

  • 認定期間中(3年間)に、合計 30単位 以上の研修単位を取得すること。
  • 上記30単位の取得において、各年(毎年)5単位 以上の単位を取得していること。
  • 上記30単位のうち、10単位 以上は「必須研修」として指定された研修(日本生薬学会、和漢医薬学会、日本東洋医学会などが主催する学術総会への参加など)で取得すること。

 

この更新要件の厳しさが、資格の質を担保しています。

単に「3年間で30単位」ではなく、「毎年必ず5単位以上」の継続的な学習と、「必須研修10単位」という学会レベルの最新知見のインプットを義務付けているのです。

これは、漢方薬剤師が「資格取得後も常に知識をアップデートし続ける専門職」であることを制度的に担保するものです。

「漢方薬剤師になるには」年収とキャリア

「漢方薬剤師になるには」年収とキャリア

無事に資格を取得した後、漢方薬剤師にはどのような活躍の場が待っているのでしょうか。

専門性を身につけることで、年収や働き方にどのような影響があるのか、具体的なキャリアパスとあわせて見ていきましょう。

漢方薬剤師の仕事内容

漢方薬剤師の仕事内容

漢方薬剤師の専門性が活かされる業務は、一般的な薬剤師業務(調剤監査、薬歴管理、在庫管理、レセプト業務など)に加えて、以下のような専門的なものが含まれます。

漢方相談(カウンセリング)

これが最も特徴的で、専門性が問われる業務です。

患者さんの表面的な「症状」(例:頭痛)だけでなく、その背景にある体質、生活習慣、食生活、ストレスの状況などを、対話を通じて深く理解する「傾聴力」と「問診力」が求められます。

東洋医学的な視点からその人の「証(しょう)」を見極め、数ある漢方薬の中から最適なものを選定します。

患者さん一人ひとりとじっくり向き合う、非常にやりがいのある仕事です。

調剤・服薬指導

医師から発行された漢方薬の処方箋に基づく調剤と、服薬指導を行います。

特に漢方薬は「食前」や「食間」に服用することが多いため、その理由(吸収効率など)を分かりやすく説明し、患者さんが正しく服用できるようサポートします。

西洋薬との飲み合わせ(相互作用)についても、専門家としての知識が求められます。

OTC医薬品の販売

ドラッグストアなどにおいて、患者さんの訴え(例:「風邪のひきはじめで寒気がする」「胃がもたれる感じが続く」)に対し、数ある一般用漢方薬の中から最適なものを推奨・販売します。

セルフメディケーションの重要な担い手として、地域住民の健康維持に貢献できます。

漢方薬剤師の年収と給料

漢方薬剤師の年収と給料

専門性を高める上で、年収がどう変わるのかは非常に気になるところだと思います。

漢方薬剤師の年収については、一見矛盾するデータが存在するため、その背景を分析的に読み解く必要があります。

基準となる一般薬剤師の年収

まず基準として、一般薬剤師の平均年収を見てみましょう。

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の薬局・医療機関等で働く薬剤師の平均年収は約581万円(※)です。

(※きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額より算出。平均年齢41.1歳)
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

転職市場のデータなどを見ると、経験5年目で約558万円といった統計も見られます。

これらが一つの基準となります。

年収データが乖離する背景

一方で、漢方薬剤師の年収データは、以下のように「低い」ものと「高い」ものが混在しています。

  • データ1(低め):漢方薬剤師の給料相場は「年収約400万~450万円ほど」であるという記述。
  • データ2(高め):実際の薬剤師転職サイトでは「年収500万円~750万円」といった高待遇の募集。

この大きな年収幅、およびデータの矛盾は、漢方薬局の「ビジネスモデル」の違いによって合理的に説明できます。


漢方薬局で扱われる漢方薬、特に個々の体質に合わせて調合されるオーダーメイドの煎じ薬や刻み生薬の多くは、健康保険が適用されない「自由診療(自費)」です。


この事実から、以下の2つの異なるキャリアパスと年収モデルが浮かび上がります。

  • 「低年収」モデル(データ1): 年収400万円台という相場は、自由診療の漢方相談をメインに据える「小規模な漢方専門薬局」の給与水準を反映している可能性が高いです。

これらの薬局は、利益率の高い保険調剤(西洋薬)を扱わない、あるいは比率が低いため、経営規模が小さくなりがちで、結果として薬剤師の給与水準も一般平均より低くなる傾向があります。

  • 「高年収」モデル(データ2): 一方で、年収500万~750万円という高待遇求人の多くは、西洋薬の「保険調剤」を主な収益基盤とする大手調剤薬局チェーンや医療法人が、「付加価値サービス」として漢方相談部門を設置しているケースです。

安定した保険診療の収益基盤があるため、高い給与水準を維持できます。

結論として、JPEC認定資格が、それ自体で自動的に高年収を保証するわけではありません。

しかし、安定した経営基盤を持つ薬局(上記2のモデル)において、漢方の専門知識は「他の薬剤師にはない独自の専門性」となり、一般薬剤師との明確な差別化要因となります。

その結果、高待遇の専門職ポスト(「漢方相談担当」「漢方部門リーダー」など)を獲得するための強力な武器となり、年収500万~700万円超のキャリアを実現する可能性を高めると言えます。

※年収データはあくまで目安であり、勤務先、経験、地域、経営方針によって大きく変動します。

専門性を活かす求人先

専門性を活かす求人先

漢方薬剤師の専門性が活かされる勤務先は多岐にわたります。

  • 漢方専門薬局:漢方薬(主に煎じ薬や刻み生薬)の相談・販売を専門に行います。

保険適用外の自由診療がメインとなることが多く、深い知識と高いカウンセリング能力が求められます。

  • 調剤薬局・ドラッグストア:西洋薬の調剤に加え、漢方相談コーナーを設けたり、漢方の処方箋を積極的に応需したりする店舗です。

「保険調剤+漢方相談」というモデルで、安定した経営基盤のもと専門性を発揮できます。

  • 病院:漢方外来を設置している病院の薬剤部。

医師と連携し、西洋医学と東洋医学を融合させたチーム医療に貢献できます。

  • 製薬企業:漢方薬メーカー(ツムラなど)の研究開発部門、学術部門、医薬情報担当者(MR)として。

専門知識を活かして、新たな漢方薬の開発や、医療現場への適正使用情報の提供に携わります。

求められるスキルと将来性

求められるスキルと将来性

漢方薬剤師として成功するためには、生薬や方剤の知識(ハードスキル)以外に、決定的に重要なソフトスキルが求められます。

必須スキル:高度なコミュニケーション能力

漢方相談の根幹は「問診」です。

患者さんの表面的な「症状」(例:頭痛)だけでなく、その背景にある体質や生活習慣(冷え、ストレス、食事、睡眠など)を、対話を通じて深く理解する「傾聴力」が不可欠です。

患者さんが話しやすい雰囲気を作り、状態を正しく聞き取り、共感し、対処する能力。

この円滑なコミュニケーションこそが、患者さんの信頼を獲得し、適切な漢方薬選定につながる最大の鍵となります。

必須スキル:継続的な学習姿勢

漢方薬は種類が膨大で、組み合わせは無数にあります。

古典的な処方から最新の臨床データまで、学ぶべきことは尽きません。

JPECの更新要件(第2部参照)が示す通り、この分野の知識は常にアップデートが求められます。

大学、学会、製薬企業が主催する勉強会やセミナーに積極的に参加し、知識とスキルを向上させ続ける姿勢が必須です。

漢方薬剤師の将来性

これらのスキルを習得し、漢方薬剤師としてキャリアを築くことには、明確なメリットがあります。

特に、セルフメディケーションへの関心が高まり、西洋薬だけでは解決しにくい「未病(病気になる一歩手前の状態)」への対処法として漢方薬への注目度が増している現代において、その将来性は非常に明るいと私は考えています。

  • 専門性による差別化:AI化が進む中でも、対話と傾聴に基づく「証」の見極めは人間にしかできない業務であり、一般的な調剤業務を主とする薬剤師との明確な差別化が図れます。
  • 転職市場での優位性:専門知識を持つ漢方薬剤師は希少価値が高く、転職市場で高く評価され、有利に働きます。
  • 勤務先の選択肢拡大:漢方を専門に扱う薬局や、漢方薬メーカーの研究開発部門など、一般薬剤師では選択しにくい独自のキャリアパスが拓けます。
  • 独立開業の道:漢方薬剤師として長く経験を積めば、保険診療に依存しない「漢方相談薬局」として独立開業することも可能であり、専門性を活かした自分らしい働き方ができます。

 

国際中医師との違い

国際中医師との違い

漢方関連の資格として「国際中医師」を聞いたことがあるかもしれません。

これは中国の「中医師」に近い、高度で体系的な中医学の知識(基礎理論、診断学、中薬学、方剤学、臨床学科)を証明する資格です。

JPEC認定との最も大きな違いは、その立ち位置と目的です。

  • 漢方薬・生薬認定薬剤師:日本の薬剤師免許が必須

日本の医療現場(保険診療を含む)での「実務」に特化した専門性を証明する。

転職や臨床実務での信頼性はこちらが一般的です。

  • 国際中医師:薬剤師免許は不要(受講生の多くは医療関係者)。

中医学の「学術的な体系」をより深く学ぶための資格。

自身の知識の探求や学術的な深化が目的となります。


最重要注意点:「国際中医師」の資格を取得しても、日本国内において「中医師」としての医療行為(診断、治療)は一切認められていません。

あくまで薬剤師としてのキャリアアップのための知識習得(アドバイザー業務)が目的となります。

この資格があるからといって、医師法や薬剤師法で認められた範囲を超える業務はできません。

転職や臨床実務での信頼性にはJPEC認定、自身の知識の探求や学術的な深化には国際中医師、という目的別の使い分けが考えられます。

漢方養生指導士など民間資格

漢方養生指導士など民間資格

さらに、「漢方養生指導士(漢方コーディネーター)」や「和漢薬膳師(薬膳マイスター)」といった民間資格も多数存在します。

これらも「漢方」と名がつくため混同されやすいですが、JPEC認定とは明確に「レイヤー(階層)」が異なります。

これらの民間資格は、薬剤師免許を必要とせず、誰でも受講・受験が可能です。

その目的は医療行為ではなく、健康維持(養生)や食生活のアドバイスが中心です。

  • 医療専門職:漢方薬・生薬認定薬剤師
    基盤:薬剤師免許(必須)
    領域:医療(医薬品の調剤・販売・指導、治療への関与)
  • Wellness・教養:漢方養生指導士、薬膳マイスターなど
    基盤:薬剤師免許(不要)
    領域:健康・予防(健康食品、食事、生活習慣のアドバイス)

「漢方薬剤師になる」ことを目指す場合、自分が「医療」の領域で活躍したいのか、「Wellness(健康・予防)」の領域で活躍したいのかを自覚し、レイヤー1(JPEC認定)を目指すのか、レイヤー2(民間資格)で満足するのかを決定することが極めて重要です。

独学や勉強会のリソース

独学や勉強会のリソース

漢方の世界は奥深く、JPECの認定研修や更新研修は、その膨大な知識体系の「最低限の質を担保する」ものに過ぎません。

真の専門家であり続けるためには、自主的な継続学習が業界の暗黙のスタンダードとなっています。


幸い、現代は漢方に関する学習リソースが豊富に存在します。

  • 教科書・専門書:日本生薬学会が監修する「漢方薬テキスト」や、臨床現場向けの「漢方薬虎の巻」のような実践的な書籍も多数出版されています。
  • 学会主催:日本東洋医学会や日本生薬学会などが、最新の学術的知見を発表する場(学術総会)を提供しています。JPECの必須研修単位になることも多いです。
  • 大学・関連団体主催:京都薬科大学などが、初心者からベテランまでを対象にした実践的なセミナーを開催しています。
  • 企業・薬剤師会主催:漢方薬メーカー(例:ツムラ)や、各都道府県の薬剤師会などが、オンライン(Webセミナー、Zoomウェビナー)形式での勉強会を頻繁に実施しており、多忙な薬剤師でも参加しやすくなっています。

JPECの更新単位として認められる研修も多いため、これらを活用しながら「公式な研修」と「自主的な独学」の両輪で、専門性を維持・向上させていくことが求められます。

まとめ:漢方薬剤師になるには

まとめ

最後に、「漢方薬剤師になるには」どうすればよいか、その道のりを総括します。

漢方薬剤師への道は、単一の資格試験に合格することではなく、薬剤師という国家資格を基盤とし、専門家として生涯学び続ける「プロセス」そのものを指します。

そのキャリアパスは、以下の明確なステップで構成されています。

  • 【大前提】薬剤師になる:6年制薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格する。この時点で、他の民間資格とは一線を画す高度な医療知識の基盤が確立されます。
  • 【中核】専門性を証明する:薬剤師免許取得後、JPECの「漢方薬・生薬認定薬剤師」の研修会(講義+必修実習)を受講し、難化傾向にある認定試問に合格する。
  • 【実践】キャリアを構築する:漢方専門薬局、あるいは保険調剤と漢方相談を両立する調剤薬局やドラッグストア、病院などに勤務し、実務経験を積みます。年収は勤務先のビジネスモデル(保険診療基盤の有無)に大きく左右されます。
  • 【維持】学び続ける:3年ごとの厳格な資格更新要件をクリアするため、また真の専門家であるために、学会、セミナー、専門書を通じて、生涯にわたり知識とスキルをアップデートし続けることが求められます。

高い参入障壁と継続的な努力を要求される、探求的かつ専門的なキャリアパスです。

しかし、セルフメディケーションと伝統医療への関心が高まる現代において、その専門性は薬剤師としての明確な差別化要因となり、患者さんから深く信頼される独自のポジションを築くことを可能にします。

この記事が、あなたのキャリアを考える上での一助となれば幸いです。


本記事に記載されている情報、特に費用や合格率、年収などの数値データは、執筆時点での一般的な目安や過去のデータに基づいています。

制度内容が変更される可能性や、個々の状況によって大きく異なる場合があります。

正確かつ最新の情報については、必ず日本薬剤師研修センター(JPEC)などの公式サイトをご確認ください。

また、キャリアに関する最終的な判断は、転職エージェントなどの専門家にご相談されることをお勧めします。

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