「かかりつけ薬剤師の利用を勧められたけれど、何だかおかしい気がする」
「本当に必要な制度なの?」と疑問を感じていませんか。
かかりつけ薬剤師の制度について、24時間対応や夜中電話の可能性、追加で発生する料金や加算、そして厳しい条件や算定要件といった実態を知ると、メリットだけでなくデメリットも多いと感じるかもしれません。
中には、制度内容を詳しく知った上で、自分にはいらない、あるいは解除したいと考える方もいらっしゃいます。
この記事では、かかりつけ薬剤師制度が「おかしい」と感じられる理由を、患者側と薬剤師側双方の視点から深く掘り下げ、その実態と上手な付き合い方を分かりやすく解説します。
記事のポイント
- 制度がおかしいと感じる患者側・薬剤師側の具体的な理由
- 24時間対応の実態や料金・加算に関する詳細な情報
- 制度のメリットとデメリットの客観的な比較
- 制度が自分に合わないと感じた場合の具体的な対処法や解除方法
なぜ「かかりつけ薬剤師おかしい」と感じるのか
- 患者側で「おかしい」と感じる理由
- 薬剤師側で「おかしい」と感じる理由
- 24時間対応という厳しい実態
- 夜中電話がかかってくる可能性も
患者側で「おかしい」と感じる理由
患者側が「かかりつけ薬剤師はおかしい」と感じる主な理由は、自己負担額の増加と、制度そのものへの理解不足が挙げられます。
多くの場合、かかりつけ薬剤師に同意すると「かかりつけ薬剤師指導料」という追加の費用が発生します。
これは、患者さんが薬局で支払う自己負担額が、これまでよりも月に数十円から数百円程度増えることを意味します。
この追加料金について、どのようなサービスが提供されるのか具体的な説明が不足していると、患者さんは単なる負担増と感じ、不信感を抱くことがあります。
また、そもそも「かかりつけ薬剤師」という制度がなぜ必要なのか、どのようなメリットがあるのかを十分に理解できていないケースも少なくありません。
複数の医療機関を受診している患者さんの服薬情報を一元管理し、薬の重複や副作用を防ぐといった制度の本来の目的が伝わっていないと、「いつも行く薬局で十分」「特定の薬剤師を指名する必要性を感じない」といった感想につながりやすいのです。
言ってしまえば、メリットを感じられないまま費用だけが増えることに、納得できない方が多いと考えられます。
薬剤師側で「おかしい」と感じる理由
一方で、制度を運用する薬剤師側からも「おかしい」という声が上がっています。
その背景には、過重な労働負担と薬局の経営方針に起因する問題が存在します。
かかりつけ薬剤師は、担当患者に対して24時間対応を求められることがあり、これが大きな精神的・肉体的ストレスとなります。
勤務時間外や休日であっても、患者さんからの電話相談に応じる必要があるため、プライベートとの境界が曖昧になりがちです。
心身ともに休まる時間が確保しにくくなることは、深刻な問題と言えます。
さらに、一部の薬局では経営上の理由から、薬剤師に対して「かかりつけ薬剤師の同意書を月に何件獲得する」といったノルマを課すことがあります。
かかりつけ薬剤師指導料は薬局にとって重要な収入源となるため、経営側が獲得件数を重視するのです。
しかし、本来は患者さんの理解と信頼に基づいて結ばれるべき関係が、営業目標のような数値で管理されることに、多くの薬剤師が矛盾や働きづらさを感じています。
24時間対応という厳しい実態
「24時間対応」という言葉は、患者さんにとっては安心材料かもしれませんが、薬剤師にとっては非常に厳しい労働環境を示唆します。
この制度の実態は、日中の通常業務に加えて、常に患者さんからの連絡に対応できる状態を維持しなければならないことを意味します。
例えば、深夜に患者さんから薬の飲み合わせに関する問い合わせがあれば、すぐに対応する必要があります。
また、休日であっても、在宅医療を受けている患者さんの容態変化に応じて、医師と連携したり、緊急で調剤を行ったりするケースも想定されます。
このように、常に仕事のことが頭から離れないオンコール状態が続くことで、薬剤師は慢性的な疲労やストレスを抱えやすくなります。
令和6年度の診療報酬改定で、休日や夜間はやむを得ない場合に薬局単位での対応が可能になるなど、要件が一部緩和される動きもありますが、依然として薬剤師個人の負担が大きいという構造的な問題は残っています。
夜中電話がかかってくる可能性も
かかりつけ薬剤師になると、患者さんから夜中に電話がかかってくる可能性があります。
もちろん、緊急性の高い副作用の相談や、深刻な体調変化に関する連絡であれば、それは専門家として対応すべき重要な役割です。
しかし、実際には「薬を飲み忘れたが今から飲んでいいか」
「日中の軽い症状について急に不安になった」といった、緊急性の低い相談である場合も少なくありません。
患者さんにとっては真剣な悩みであっても、対応する薬剤師側からすると、心身の休息を妨げられることになります。
特に一人暮らしの高齢者など、夜間に不安を感じやすい患者さんを担当する場合、連絡が頻繁になる傾向が見られます。
このような状況が続くと、睡眠不足や精神的な消耗につながり、日中の業務パフォーマンスにも影響を及ぼしかねません。
そのため、薬剤師にとっては大きな負担となり得るのが実情です。
「かかりつけ薬剤師 おかしい」制度の費用と条件
- 気になるかかりつけ薬剤師の料金
- 別途発生する加算について
- 薬剤師に求められる厳しい条件
- 指導料の詳しい算定要件とは
- 制度のメリットとデメリット
気になるかかりつけ薬剤師の料金
かかりつけ薬剤師の制度を利用すると、患者さんが支払う料金が少し高くなります。
これは「指導料」として、通常の薬学管理料に上乗せされるためです。
具体的には、かかりつけ薬剤師指導料は76点(1点=10円)と定められています。
したがって、自己負担割合が3割の患者さんの場合、1回の処方箋受付あたり約230円の料金となります。
一方、通常の服薬管理指導料は45点または59点であり、かかりつけ薬剤師を選ぶことで自己負担額が増える計算になります。
この追加料金は、担当薬剤師が患者さんの服薬情報を一元管理し、24時間相談に応じるなど、より手厚いサポートを提供するための対価とされています。
しかし、この料金に見合うだけの価値を感じられるかどうかは、患者さん一人ひとりの状況や考え方によって異なると言えるでしょう。
項目 | 指導料 | 服薬管理指導料 |
点数 | 76点 | 45点 または 59点 |
3割負担の場合の料金目安 | 約230円 | 約135円 または 約177円 |
主な業務内容 | ・服薬情報の一元的・継続的管理 ・休日夜間を含む相談対応 | ・処方箋に基づく服薬指導 ・残薬や併用薬の確認 |
別途発生する加算について
かかりつけ薬剤師指導料に加えて、特定の条件を満たすことで、さらに料金が加算される場合があります。
これらの加算は、専門的な指導や管理を行った際に評価されるものです。
代表的な加算には以下のようなものがあります。
特定薬剤管理指導加算
特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)について、副作用の確認や服薬状況の管理を強化した場合に算定されます。
令和6年度の改定により、新規処方時(10点)と用法変更時など(5点)で評価が分けられました。
吸入薬指導加算
喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんに対し、吸入薬の適切な使い方を文書や練習用器具を用いて指導した場合に算定されます(30点、3月に1回限り)。
以前はかかりつけ薬剤師指導料との同時算定はできませんでしたが、令和6年度改定で見直され、算定可能となりました。
調剤後薬剤管理指導料
糖尿病や慢性心不全の患者さんに対して、調剤後に電話などでフォローアップを行った場合に算定できます(60点、月に1回限り)。
これらの加算は、より質の高い医療を提供するために設けられていますが、患者さんにとっては自己負担額が増える要因にもなります。
薬剤師に求められる厳しい条件
かかりつけ薬剤師は、希望すれば誰でもなれるわけではありません。
患者さんの健康を継続的にサポートする重要な役割を担うため、国が定めた厳しい条件をクリアしている必要があります。
主に、以下のような基準を満たさなければなりません。
このように、豊富な実務経験と継続的な学習意欲、そして地域への貢献姿勢がなければ、認められないのです。
指導料の詳しい算定要件とは
薬局が「かかりつけ薬剤師指導料」を算定するためには、薬剤師個人の条件だけでなく、薬局としての体制や患者さんとの手続きに関する要件も満たす必要があります。
算定するための主な要件は以下の通りです。
- 患者の同意: 最も大切なのは、患者さんから書面で同意を得ることです。薬剤師は、かかりつけ薬剤師の業務内容や費用のこと、そしてなぜその患者さんにかかりつけ薬剤師が必要だと判断したのかを丁寧に説明し、納得してもらった上で同意書に署名をいただく流れとなります。
- 複数回の来局実績: 同意を得る対象は、その薬局に複数回来局したことのある患者さんに限られます。初回の患者さんにいきなり同意を求めることはできません。
- 情報の一元管理: 担当する患者さんが利用している全ての医療機関や、服用している処方薬、市販薬、健康食品などの情報を一元的に把握し、薬歴に記録することが求められます。
- お薬手帳への記載: 他の医療機関や薬局でも情報が共有できるよう、お薬手帳にかかりつけ薬剤師の氏名や薬局の連絡先を記載します。
- 医師との連携: 患者さんの服薬状況や体調の変化などを把握し、必要に応じて処方した医師へ情報提供を行ったり、処方内容の提案を行ったりします。
これらの要件を満たして初めて、指導料を算定することが可能になります。
手続きが複雑であることも、制度が普及しにくい一因かもしれません。
制度のメリットとデメリット
かかりつけ薬剤師制度は、患者さんと薬剤師の双方にとって、メリットとデメリットが存在します。
制度を利用するかどうかを判断する上で、両方の側面を理解しておくことが大切です。
メリット
- 服薬情報の一元管理による安全性向上: 複数の医療機関から処方された薬や市販薬、サプリメントなどの飲み合わせを一人の薬剤師がまとめてチェックするため、薬の重複や危険な相互作用を防ぎやすくなります。
- 継続的なサポートによる安心感: いつも同じ薬剤師が対応してくれるため、自分の体質や生活習慣を理解した上で、きめ細やかなアドバイスを受けられます。健康に関する悩みを気軽に相談できるパートナーのような存在になります。
- 休日や夜間の相談対応: 薬局が閉まっている時間帯でも、薬に関する不安や副作用が出た際に電話で相談できるため、万が一の時も安心です。
デメリット
- 自己負担額の増加: 前述の通り、「かかりつけ薬剤師指導料」により、薬局で支払う料金が少し高くなります。
- 他の薬局を利用しにくくなる: 服薬情報を一元管理するという目的から、基本的にはいつも同じ薬局を利用することが推奨されます。そのため、外出先で急に病院にかかった場合などに、不便を感じる可能性があります。
- 薬剤師との相性の問題: 指名した薬剤師と人間的に合わない場合、相談しづらさを感じたり、コミュニケーションがストレスになったりすることもあります。
これらの点を総合的に考え、自分にとってメリットが大きいかどうかを見極める必要があります。
「かかりつけ薬剤師 おかしい」と感じた時の対処法
- かかりつけ薬剤師がいらないと感じたら
- 制度を解除したいときの手続き
- 他の薬剤師への変更は可能か
- 薬局に相談する際のポイント
かかりつけ薬剤師がいらないと感じたら
かかりつけ薬剤師制度は、全ての患者さんにとって必須のものではありません。
もし、制度の説明を聞いたり、実際に利用してみたりした結果、「自分には必要ない」
「メリットを感じない」と感じたのであれば、無理に利用を続ける必要は全くありません。
例えば、受診する医療機関が一つだけで、服用している薬の種類も少ない方であれば、通常の服薬指導で十分な場合もあります。
また、追加の料金を支払うことに納得できない、あるいは特定の薬剤師に縛られず自由に薬局を選びたい、と考えるのも自然なことです。
重要なのは、患者さん自身に選択権があるということです。
薬局から利用を勧められたとしても、不要だと感じれば断ることができます。
自分の健康管理のスタイルや価値観に合わせて、制度を利用するかどうかを主体的に判断することが大切です。
制度を解除したいときの手続き
一度かかりつけ薬剤師に同意した場合でも、その関係をいつでも解除することが可能です。
手続きは決して難しくありません。
最も簡単な方法は、その薬局の窓口で、かかりつけ薬剤師の同意を撤回したい旨をスタッフに直接伝えることです。
口頭で伝えるだけで手続きが完了する場合がほとんどで、特別な書類の提出などを求められることは通常ありません。
伝える際には、「今後は通常通りの対応をお願いします」といった形で、簡潔に意思を伝えれば十分です。
理由を詳細に説明する義務もありません。
もし、担当の薬剤師本人に直接伝えにくい場合は、他の薬剤師や受付の事務スタッフに申し出ても問題ありません。
同意を解除すれば、次回以降は「かかりつけ薬剤師指導料」が請求されることはなくなり、通常の料金に戻ります。
制度が合わないと感じた際には、気兼ねなく解除の申し出を行いましょう。
他の薬剤師への変更は可能か
「制度自体は利用したいけれど、担当の薬剤師と相性が合わない」というケースも考えられます。
このような場合、同じ薬局内の別の薬剤師に担当を変更してもらうことも可能です。
患者さんには、かかりつけ薬剤師を選ぶ権利があります。
そのため、コミュニケーションが取りにくい、説明が分かりにくいといった不満がある場合に、担当者の変更を希望するのは正当な権利です。
変更を希望する際は、同意を解除する時と同様に、薬局のスタッフにその旨を伝えます。
「〇〇さんにお願いしたいのですが」と具体的に後任を指名することもできますし、「別の方に変更をお願いできますか」と申し出る形でも構いません。
薬局側も、患者さんとの信頼関係を重視しているため、こうした申し出には柔軟に対応してくれるはずです。
より良いサポートを受けるためにも、我慢せずに相談してみることが解決の糸口となります。
薬局に相談する際のポイント
かかりつけ薬剤師制度に関して、解除や変更などの相談を薬局にする際には、いくつかのポイントを押さえておくと、話がスムーズに進みやすくなります。
まず、感情的にならず、冷静に自分の要望を伝えることが大切です。
「おかしい」「不満だ」といった感情的な言葉をぶつけるのではなく、「費用面で負担に感じるため、同意を撤回したいです」
「〇〇という点で相談しづらさを感じるので、担当を変更していただけないでしょうか」のように、具体的な事実や理由を基に話すと、相手も状況を理解しやすくなります。
次に、できるだけ簡潔に要点を伝えることです。
長々と話すよりも、「かかりつけ薬剤師の同意を解除したい」という結論を先に伝えた方が、相手も何をすべきか明確に判断できます。
そして、相談する相手は、必ずしも担当薬剤師本人である必要はありません。
伝えにくいと感じるなら、薬局長や他のスタッフなど、話しやすい相手を選んで相談しましょう。
薬局全体として、患者さんの意向を尊重する体制が整っているはずです。
まとめ:「かかりつけ薬剤師 おかしい」制度を総括
この記事では、「かかりつけ薬剤師」制度がなぜ「おかしい」と感じられるのか、その理由や実態、対処法について多角的に解説してきました。
最後に、本記事の要点をまとめます。
- 患者側がおかしいと感じる主因は追加料金と制度理解の不足
- 薬剤師側も24時間対応やノルマで大きな負担を抱えている
- 令和6年度改定で24時間対応の要件は一部緩和された
- 緊急性が低い夜中電話が薬剤師の負担を増大させることもある
- かかりつけ薬剤師指導料として自己負担額は数十円から数百円増加する
- 専門的な指導にはさらに加算が付く場合がある
- かかりつけ薬剤師になるには3年以上の実務経験など厳しい条件がある
- 指導料の算定には患者からの書面による同意が必須
- メリットは服薬情報の集約による安全性向上と継続的な安心感
- デメリットは費用負担と他の薬局の利用しにくさ
- 制度が不要だと感じればいつでも断ることが可能
- 同意の解除は薬局スタッフに口頭で伝えるだけで手続きできる
- 担当薬剤師との相性が合わない場合は変更を申し出ることもできる
- 薬局への相談は感情的にならず具体的かつ簡潔に伝えることが鍵
- 制度のメリットとデメリットを理解し自分に合うか判断することが大切
「かかりつけ薬剤師」制度について、その実態や様々な側面から解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この制度は、患者さんの服薬情報を一元的に管理し、治療の安全性を高めるという大きな目的があります。
一方で、追加の費用負担や薬剤師側の過重労働といった課題も存在し、疑問を感じる方がいるのも事実です。
最も大切なことは、制度のメリットとデメリットの両方を正しく理解した上で、ご自身の状況や価値観に合っているかどうかを主体的に判断することです。
もし現在の担当薬剤師との関係に不安を感じたり、制度の利用が負担になっている場合は、決して無理に続ける必要はありません。
この記事でご紹介したように、患者さんには同意を解除したり、担当者を変更したりする選択肢が常にあります。
まずは、現在利用している薬局のスタッフに、感じていることを気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
本記事が、皆様ご自身にとって最適な形で医療サービスを活用するための一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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