一般名処方加算の制度について、一般名処方加算の1と2の違いや、それぞれの算定要件、令和6年度の改定による最新の点数など、知っておきたい情報を紹介します。
特に、掲示やウェブ掲載が必要といった施設基準の変更や、届出不要というルール、さらには一般名処方マスタの確認方法など、どこから整理すればよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
また、長期収載品の選定療養が始まったことで、品目数の数え方なども気になるところです。
最初はとても複雑だと感じましたが、情報を一つずつ整理していくことで、供給不安への対応という背景を含めた全体像がはっきりしてきました。
この記事では、一般名処方加算について私が調べた情報を整理し、読者の皆さんが抱える疑問を解決するためのポイントをまとめました。
正確な情報は厚生労働省の公式サイトなどで確認していただきたいですが、まずは実務や日常生活に役立つ概要を掴むための参考にしていただければ幸いです。
記事のポイント
- 一般名処方加算の1と2の具体的な違いと算定要件
- 令和6年度改定で引き上げられた最新の点数と背景
- 掲示やウェブ掲載が求められる施設基準と運用ルール
- 長期収載品の選定療養や一般名処方マスタに関する注意点
一般名処方加算の基礎と算定要件の解説

まずは、一般名処方加算の基本的な仕組みと、算定するための要件について詳しく見ていきましょう。
この加算は、薬の商品名ではなく成分名で処方することへの評価であり、現在の医薬品供給不足という社会情勢において、非常に重要な役割を担っています。
一般名処方加算の1と2の違いとは
これは、処方せんの中にどれくらい一般名処方が含まれているかという「網羅性」と「品目数」によって区分されています。
具体的には、その処方せんで出される薬のうち、後発医薬品(ジェネリック)が存在するすべての医薬品を一般名で記載しているかどうかが分かれ目となります。
一般名処方加算1は、後発医薬品があるすべての医薬品を一般名で処方し、かつその数が2品目以上である場合に算定されます。
一方で、一般名処方加算2は、処方せんの中に1品目でも一般名処方が含まれていれば算定が可能です。
つまり、加算1は「後発品があるものはすべて一般名で出す」というより徹底した姿勢が求められる区分であり、その分、点数も高く設定されています。
区分けのポイント
- 一般名処方加算1:後発品がある全品目が一般名(かつ2品目以上)
- 一般名処方加算2:1品目でも一般名処方が含まれる場合
一般名処方加算の算定要件のポイント

算定要件において私が見逃せないと感じたのは、単に一般名で書けば良いというわけではなく、厚生労働省が定めるルールに則っている必要があるという点です。
まず、対象となるのは「後発医薬品が存在する先発医薬品」や「先発医薬品に準じたもの」です。
これらを商品名(例:ロキソニン)ではなく、一般的名称で記載することが基本となります。
また、2024年度の診療報酬改定では、医薬品の供給が不安定な状況下でも、薬局側が在庫に応じて柔軟に調剤できるようにすることが重視されています。
そのため、患者さんに対して「なぜ一般名で処方するのか」という趣旨をしっかりと説明することも、実質的な要件の一部となっています。
供給不足の際に治療が止まらないようにするための工夫だと理解すると、この要件の重みが分かってきます。
一般名処方加算の最新の点数を紹介
令和6年度(2024年度)の診療報酬改定での変更点は医薬品の安定供給を確保するための取り組みが評価された形です。
現在の正確な点数は以下の通りです。
| 区分 | 令和6年度改定後の点数 | 改定前の点数 |
|---|---|---|
| 一般名処方加算1 | 10点 | 7点 |
| 一般名処方加算2 | 8点 | 5点 |
以前と比べてそれぞれ3点ずつアップしています。
診療報酬における1点は10円ですので、加算1であれば100円分が処方せん料に上乗せされる計算です。
患者さんの自己負担が3割であれば30円程度の変動になります。
小さな額に思えるかもしれませんが、医療機関が組織的に一般名処方を推進するための重要なインセンティブになっているようです。
一般名処方加算を算定できないケース

一般名で処方されていても、加算が算定できないケースがあることは意外と知られていません。
私が調べた範囲では、以下のような状況が該当します。
まず、そもそも後発医薬品が存在しない新薬などを一般名で書いても加算の対象にはなりません。
あくまで後発品への切り替え余地があることが前提だからです。
また、先発医薬品と後発医薬品の薬価に差がない場合や、一般名処方マスタに登録されていない特殊な医薬品も対象外となります。
さらに、同一の成分であっても内服薬と外用薬のように投与経路が異なる場合は別々にカウントされますが、同じ内服薬の中で成分が重複している場合は1品目として数えられるなど、細かいルールがあります。
算定ミスを防ぐためには、こうした例外を正しく把握しておく必要があります。
一般名処方加算のマスタの確認方法
実務で最も頼りになるのが、一般名処方マスタです。
これは厚生労働省が公表しているデータで、どの医薬品がどの一般名コードに対応しているかが網羅されています。
私が確認したところ、このマスタは随時更新されており、新しい薬が登場したり、後発品が発売されたりするたびに内容が変わります。
(出典:厚生労働省「処方箋に記載する一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)について」)
マスタには、「【般】」に続く標準的な名称や、対応する12桁の一般名コードが記載されています。
レセコン(医事コンピュータ)などのシステムでは自動的に反映されることが多いですが、イレギュラーな処方の際にはこのマスタを直接確認することが推奨されます。
最新のマスタを参照しないと、本来算定できるはずの加算を取りこぼしたり、誤って算定してしまったりするリスクがあるため注意が必要です。
一般名処方加算の施設基準と届出の注意点

次に、医療機関が一般名処方加算を算定し続けるために守らなければならない「施設基準」と、運用のポイントについて整理します。
特に2024年以降、患者さんへの情報の見せ方が厳格化されています。
一般名処方加算の施設基準の要件
施設基準とは、その加算を算定するための環境や体制のルールのことです。
一般名処方加算において私が特に重要だと感じたのは、「一般名処方の趣旨を患者さんに十分に説明できる体制」を整えることです。
これには、単に口頭で伝えるだけでなく、掲示物やウェブサイトを活用した情報提供が含まれます。
具体的には、医薬品の供給状況や、後述する長期収載品の選定療養についても踏まえた説明を行うことが求められています。
患者さんが「なぜ自分の薬は商品名じゃないのか」「なぜ追加費用がかかるのか」といった疑問を持ったときに、適切に回答できる準備が整っていることが、施設基準の本質的な要件だと言えるでしょう。
一般名処方加算の掲示のルールと内容

掲示については、医療機関内の「見やすい場所」に行うことが必須です。
受付カウンターの横や待合室の掲示板などが一般的です。
掲示する内容には、当院では一般名処方を行っていること、それによって特定の医薬品が不足しても安定して提供できること、そして必要に応じて患者さんに説明を行うことなどを明記する必要があります。
私が実際のクリニックで見かけた掲示物では、文字だけでなく図解を用いて、一般名処方のメリットを分かりやすく説明しているものもありました。
患者さんにとっては「安心感」に直結する部分ですので、誠実で分かりやすい表現を心がけることが大切です。
また、この掲示内容は後述するウェブサイトの掲載内容とも整合性を取っておく必要があります。
一般名処方加算のウェブサイト掲載義務

令和6年度の改定で、新たにウェブサイトへの掲載が原則として義務付けられました。
これまでは院内掲示だけで良かったのですが、現在はインターネット上でも一般名処方に関する方針を公開しなければなりません。
これには、患者さんが受診前にその医療機関の方針を知ることができるようにするという目的があります。
ただし、これには2025年5月31日までの経過措置が設けられており、期間内に対応を済ませれば良いことになっています。
また、自ら管理するホームページを持っていない医療機関については除外されます。
それでも、最近はスマートフォンの普及により、多くの患者さんが事前にサイトをチェックするため、早めに掲載を完了させておくのが望ましいと私は考えています。
一般名処方加算の届出は不要な理由
施設基準というと、通常は地方厚生局へ書類を提出して受理される必要がありますが、一般名処方加算は届出不要な項目です。
つまり、ルールに定められた掲示や説明体制さえ整っていれば、自らの判断で算定を開始して良いのです。
これは、より多くの医療機関で一般名処方を普及させるための、事務的な配慮だと思われます。
届出不要の落とし穴
「届出がいらないならチェックされない」と考えるのは危険です。
厚生局による個別指導の際には、実際に掲示がなされているか、ウェブサイトに掲載されているか、患者への説明が適切かといった点が厳しく確認されます。
要件を満たしていないことが発覚すれば、過去に遡って加算分を返還しなければならない可能性もあります。
届出が不要だからこそ、自主的なチェックが非常に重要です。
一般名処方加算と変更不可の記載方法
処方せんの様式には「変更不可(医療上必要)」というチェック欄がありますが、一般名処方をする際はここをどう扱うべきでしょうか。
私が調べたところ、一般名で処方する場合は、基本的にこの欄にチェックを入れたり、処方せんの備考欄に「変更不可」と書いたりしてはいけません。
一般名処方は「どの銘柄でも良い」という意思表示だからです。
もし医師が特定の銘柄しか使わせたくない(他のメーカーの薬に変えるべきではない)と判断した場合は、そもそも一般名ではなく「商品名」で処方し、変更不可のチェックを入れるのが正しい手順です。
一般名処方でありながら「特定の薬に変えろ、あるいは変えるな」と制限をつけるのは、制度の趣旨と矛盾してしまうため、注意が必要です。
一般名処方加算と選定療養の実務対応

2024年10月から始まった「長期収載品の選定療養」と一般名処方加算の密接な関係について解説します。
これが実務で最も頭を悩ませる部分かもしれません。
一般名処方加算と選定療養の仕組み
選定療養とは、患者さんが後発医薬品(ジェネリック)のある先発医薬品(長期収載品)をあえて希望した場合に、その差額の4分の1を自己負担(保険適用外)として支払う仕組みです。
一般名処方加算は、医師が「成分名で出した」ことへの手技料ですが、選定療養は薬局で「どの薬を選ぶか」という選択肢に関わる費用です。
一般名処方で出された場合、薬局で薬剤師が「先発品にしますか、後発品にしますか」と尋ねます。
ここで患者さんが先発品を選んだ場合、一般名処方加算は算定されつつ、さらに薬局の窓口で選定療養としての追加費用が発生します。
この二つが重なることで、患者さんの支払い合計額が大きく変わる可能性があるため、丁寧な説明が不可欠となります。
一般名処方加算と長期収載品の扱い

長期収載品とは、発売から時間が経ち、すでに後発医薬品が普及している先発品のことです。
一般名処方の主なターゲットはこの長期収載品です。
一般名で処方されることで、患者さんは「安い後発品を選ぶ」という選択がしやすくなり、医療費の抑制にも繋がります。
ただし、在庫の問題などで薬局に後発品がなく、やむを得ず先発品を使用する場合は、患者さんの希望による選択ではないため、選定療養の対象にはならず、通常の保険調剤として扱われます。
このように、「誰の都合で先発品になったのか」によって、費用負担のルールが変わってくる点が、実務上非常にややこしいポイントです。
一般名処方加算の患者への説明内容

患者さんへの説明においては、納得感を持ってもらうことが何より大切だと私は感じます。
説明すべき内容としては、「一般名で処方することで、薬局で後発品を選べるようになり、お薬代を安くできる可能性があること」や、「逆に先発品を希望し続けると、一部が保険外負担(選定療養)になり、支払いが増えること」などが挙げられます。
特にお金に関わる部分はデリケートですので、「選定療養の特別の料金」について、差額の4分の1という目安を具体的に伝えるのが良いでしょう。
厚生労働省の資料では、消費税もかかることが示されています。
こうした詳細まで説明することで、医療機関としての誠実さが伝わり、信頼関係の構築にも繋がります。
補足:説明のヒント
患者さんには「お薬の供給が不安定な時期でも、同じ成分の別の薬に切り替えて処方できるようにするための仕組みです」と伝えると、納得を得られやすいようです。
単に「国の決まりです」と言うだけでなく、患者さんのメリット(薬が途切れない、安くなる可能性がある)を強調するのがコツです。
一般名処方加算の品目数の数え方

加算1と加算2を分ける「品目数」のカウントには、いくつかのルールがあります。
最初は混乱しましたが、基本は「一般名(成分名)」の数で数えます。
例えば、同じ成分の薬を2種類処方していても、それが同一の一般名コードであれば1品目としてカウントされます。
| ケース | 数え方のルール |
|---|---|
| 異なる成分の薬を2つ | 2品目 |
| 同じ成分の5mgと10mg | 1品目(一般名が同じため) |
| 同じ成分の錠剤と目薬 | 2品目(投与経路が異なるため) |
加算1の要件である「2品目以上」を判定する際には、このように「一般名が異なること」や「投与経路が異なること」を確認する必要があります。
投与経路の区分については、内用薬、外用薬、注射薬といった大きな分類で判断されるのが一般的です。
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まとめ:一般名処方加算の算定と運用

一般名処方加算は、医薬品の安定供給と後発医薬品の使用促進という、現代の医療における大きな課題に応えるための大切な制度です。
加算1と加算2の違いを理解し、最新の点数に基づいた正しい算定を行うことはもちろんですが、それ以上に「患者さんへの適切な情報提供」が施設基準の柱となっていることを忘れてはなりません。
掲示物の整備やウェブサイトの更新、そして選定療養を含む丁寧な窓口説明など、求められる対応は多岐にわたります。
しかし、これらを一つずつ確実に実行することで、医療機関としての体制が評価され、患者さんにとっても「納得して薬を受け取れる」環境が作られていきます。
この記事で紹介したルールや数値はあくまで一般的な目安ですので、実際の運用にあたっては、必ず厚生労働省の最新の告示や事務連絡(疑義解釈)を確認し、最終的な判断は各分野の専門家と相談しながら進めてください。
大切なご注意
本記事の内容は2025年現在の情報を基に、一個人の調査結果としてまとめたものです。
診療報酬の規定は頻繁に改定され、また解釈が地域によって異なる場合もあります。
実際の算定や判断に際しては、必ず管轄の地方厚生局や医師会、薬剤師会等が発信する最新の公式情報を参照してください。
本記事の情報に基づく行動により生じた結果について、筆者は責任を負いかねますことをご了承ください。
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