薬剤師としてキャリアを歩む中で、一度は選択肢に上がる「公務員」。
しかし、ネットや周囲の声を聞くと「薬剤師が公務員になるのはもったいない」という意見を目にすることも少なくありません。
せっかく難関の国家試験を突破して手にした免許を、行政の仕事に使うことが本当に損なのか、私自身も気になり、徹底的に調べてみました。
国家公務員や地方公務員のリアルな年収、初任給の目安、さらには保健所や薬務課、公立病院といった配属先ごとの仕事内容を知ることで、自分にとっての正解が見えてきます。
この記事では、皆さんが納得して進路を選べるよう、必要な情報を詳しく整理してご紹介します。
記事のポイント
- 公務員薬剤師と民間(調剤・ドラッグ)の給与体系や昇給スピードの決定的な違い
- 行政職としての保健所業務や薬務課、臨床中心の公立病院など、配属先ごとの役割
- 公務員試験対策の負担や、副業禁止・異動リスクといった制度上の注意点
- 退職金や福利厚生、社会的信用を含めた長期的なキャリアのメリット
薬剤師が公務員になるのはもったいないと言われる理由

安定しているはずの公務員が、なぜ薬剤師の間では「もったいない」と表現されることがあるのでしょうか。
そこには、薬剤師という専門職ならではの葛藤や、民間企業との制度の違いが深く関係しています。
私なりにその理由を詳しく紐解いてみました。
民間と比較して低い初任給と昇給カーブのリアル

公務員と民間の給与明細を比較した際に最も衝撃を受けたのは、やはりスタートラインの大きな差です。
民間の調剤薬局やドラッグストアでは、地域手当などを含めて初任給から30万円を超える募集も珍しくありませんが、公務員薬剤師の給与は法律や条例で定められた俸給表に基づきます。
地方公務員薬剤師の初任給(平均)は約223,098円という水準であり、初任給だけで月額約8万円、年間では100万円近い差が出ることも珍しくありません。
これが、若手薬剤師の間で「もったいない」と囁かれる最大の要因です。
| 比較項目 | 公務員薬剤師(目安) | 民間薬剤師(目安) |
|---|---|---|
| 初任給(月額) | 約22万円 | 約30万円〜35万円 |
| 30代前半の年収 | 約450万〜550万円 | 約600万〜750万円 |
| 昇給の仕組み | 年功序列による着実な上昇 | 役職や業績に伴う早期上昇 |
| 給与の決定根拠 | 法律や条例に基づく俸給表 | 市場原理や企業の経営状態 |
公務員の給与は「年功序列」が基本であり、個人のスキルや努力が即座に月給へ反映される仕組みではありません。
対して民間は、管理薬剤師への昇格や転職によって短期間で年収100万円単位のアップを狙えるスピード感があります。
20代から30代の資産形成期において、この「昇給スピードの差」は生活水準の格差として重くのしかかるのが現実です。
一方で、公務員はボーナス(期末・勤勉手当)が景気に左右されにくく、安定して支給される強みがあります。
また、勤続年数が長くなるほど俸給も着実に上がるため、40代以降には民間との差が縮まり、退職金まで含めた「生涯年収」で見れば決して引けを取らないケースも多いのです。
正確な給与体系は自治体ごとに異なるため、必ず募集要項の給与例を確認してください。
(出典:人事院:給与関係資料)
若いうちの「手取り額」を最優先するか、将来の「安定した昇給曲線」を選ぶか。
この価値観の違いが、公務員薬剤師としての満足度を大きく左右すると私は考えています。
難易度が高い公務員試験の勉強コストと倍率の壁

薬剤師になるための最大の難所といえば国家試験ですが、公務員を目指す場合はその直後に「公務員採用試験」という別の山が控えています。
この二段構えの選考プロセスこそが、多くの薬剤師が挑戦を躊躇し、時間的なコストを「もったいない」と感じる大きな要因です。
特に大学6年間で触れることの少なかった「数的処理」や「文章理解」といった一般教養科目の対策は、薬学の専門知識とは全く別物の思考力が求められます。
| 選考段階 | 主な試験内容 | 対策の負担 |
|---|---|---|
| 一次試験(教養) | 数学・論理・社会・英語 | 解法を一から学習 |
| 一次試験(専門) | 薬理・衛生・法規・生化学 | 記述式への習熟 |
| 二次試験(人物) | 面接・小論文・集団討論 | 行政課題の理解 |
厚生労働省で働く薬系技官や、東京都・神奈川県などの都市部自治体、国立病院機構などは非常に倍率が高く、試験対策には半年から1年近い準備期間が必要になることも珍しくありません。
国家試験を終えた直後に、さらに一般教養のドリルを解き直す日々に「せっかくの資格を活かさず、なぜ受験生のような生活を続けるのか」と精神的なストレスを感じる方も多いようです。
試験の負担を軽減するポイント
- 地方自治体の中には、教養試験を「SPI」で代替するケースがある
- 病院薬剤師枠などは、行政職より試験科目が絞られる場合が多い
- 早めに過去問を確認し、自分の得意・不得意を見極めて効率化する
民間の病院や薬局であれば、国家試験合格後に即戦力として採用が決まるのが一般的です。
一方で公務員は、合格後も「採用候補者名簿」への登録が必要だったりと、正式な採用決定までが長く不透明な部分もあります。
この「努力の総量」と「得られる初任給」のバランスを天秤にかけたとき、冷静に「もったいない」と判断する層がいるのも頷けます。
(出典:厚生労働省「薬系技官 採用情報」)
行政業務が中心で臨床の専門性を活かせない悩み

行政機関で働く薬剤師の方々と接する中で最も多く耳にするのが、「白衣を着て患者さんと接する機会が全くない」という戸惑いの声です。
配属先が保健所や県庁の薬務課、衛生研究所といった事務局系になった場合、日々の仕事の舞台は調剤室ではなくデスクになります。
ここでの使命は、目の前の患者さんの服薬支援ではなく、薬機法などの法律に基づいた適正な監視指導や許認可事務を通じて、地域全体の安全を守ることにシフトします。
臨床現場との役割の違い
行政職の薬剤師は、薬局やドラッグストアの開設許可、立ち入り検査、さらには医薬品の適正広告の監視といった業務がメインです。
直接的な医療行為や対人業務ではなく、「社会のルールを運用し、公衆衛生の土台を支える事務」が専門領域となるため、臨床志向が強い人ほどギャップを感じやすくなります。
特に行政職として数年を過ごすと、最新の調剤報酬改定の細かな算定要件や、臨床現場で使われる最新デバイスの操作方法といった、いわゆる「現場感覚」をアップデートし続けることが困難になります。
そのため、将来的に再び調剤薬局や病院へ戻りたいと考えた際に、「自分の臨床スキルは使い物になるのだろうか」という強い焦りや不安を抱くケースが非常に多いのです。
| 比較項目 | 行政機関での業務 | 臨床現場での業務 |
|---|---|---|
| 対人対象 | 薬局経営者・行政担当者 | 患者・医師・看護師 |
| 主役の知識 | 薬機法・行政法・公衆衛生 | 薬理・薬物治療・処方解析 |
| 成果の形 | 適切な制度運用・事故防止 | 症状の改善・QOLの向上 |
このように、行政業務は「薬剤師としての知見」をベースにはしているものの、そのアウトプットは法律の運用という特殊な形になります。
臨床での専門性を究めたい、あるいは患者さんの笑顔を直接のやりがいにしたいという方にとっては、この職務内容の特殊性が「もったいない」と感じる決定的な要因になり得ます。
(出典:厚生労働省:厚生労働省薬系技官募集要領)
年功序列の評価制度と古い組織体制へのストレス

公務員という職業は「安定」の象徴ですが、その安定を支えているのは、極めて保守的で強固な組織体制です。
私が特に注目したのは、民間企業では当たり前になりつつある「実力主義」や「スピード感」が、公務員の世界では通用しにくいという現実です。
給与や役職の決定権は個人のパフォーマンスよりも、「どれだけ長くその組織に在籍しているか」という年功序列の仕組みに強く依存しています。
| 比較項目 | 公務員組織の傾向 | 民間企業の傾向 |
|---|---|---|
| 評価の軸 | 勤続年数・経験年数重視 | 成果・スキル・貢献度重視 |
| 意思決定 | 多段階の決裁・前例踏襲 | トップダウン・迅速な判断 |
| 変化への対応 | 慎重かつ確実性を優先 | 柔軟かつ効率性を優先 |
効率的に業務をこなし、専門性を発揮して大きな貢献をしたとしても、若手のうちは給与が急激に上がることはありません。
また、一つの施策を実行に移す際も、複数の部署を経由して何人もの上司の承認(決裁)を得る必要があります。
いわゆる「はんこ文化」の名残や、「前例がない」という理由で新しい提案が足踏みしてしまう風潮に、強いフラストレーションを感じる薬剤師は少なくありません。
若いうちから裁量を持って働きたい、あるいは最先端の知見を活かして組織をアップデートしたいと考える向上心の強い人にとって、この保守的な組織体制は「自分の能力を持て余している」という感覚を抱かせます。
その結果、「もっと自分の価値をダイレクトに評価してくれる場所があるのではないか」という疑問が生まれ、もったいないという結論に至ってしまうのです。
組織の安定性と引き換えに、個人のスピード感や自由度が制限される点は、あらかじめ覚悟しておくべき大きなポイントと言えるでしょう。
(出典:人事院:給与関係資料)
副業禁止の制約と若年層の年収格差による後悔

公務員は法律により原則として副業が禁止されています。
民間企業の薬剤師であれば、休日を利用して他の薬局でスポット勤務をしたり、ライター業などで副収入を得たりすることが可能ですが、公務員にはその自由がありません。
見逃せないデメリット
本業の年収が抑えられている20代から30代の時期に、副業で収入を補填できないのは家計にとって痛手です。
資産形成のスピードを重視する人にとっては、この制約自体が非常に大きな機会損失(もったいない)と感じられるポイントになります。
全国転勤や異動リスクが家族生活に与える影響

公務員という職業の「安定」の裏側には、個人の希望が通りにくい「異動」と「転勤」という大きな不確定要素が潜んでいます。
国家公務員であれば文字通り日本全国、さらには海外への転任も珍しくありません。
地方公務員であっても、都道府県レベルの広域自治体であれば、数年おきに生活拠点が強制的に変わるリスクが常に付きまといます。
これは、自身で勤務地を選べる民間の調剤薬局やドラッグストアとは決定的に異なる点です。
| 所属区分 | 転勤の範囲 | 異動の頻度 |
|---|---|---|
| 国家公務員 | 全国各地・海外 | 約2年から3年 |
| 都道府県職員 | 自治体管轄内全域 | 約3年から5年 |
| 市区町村職員 | 自治体管轄内 | 約3年から5年 |
さらに私が見過ごせないと感じたのは、薬剤師として採用されても「薬事に関連する部署」に居続けられる保証がない点です。
組織の論理として、全く畑違いの福祉関連部署や一般事務部署へ配属されるケースも現実に存在します。
この「専門知識を一切使わない期間」が生じることで、最新の薬学情報や現場感覚のアップデートが止まり、薬剤師免許が形骸化してしまうことに強い焦りを感じる方は少なくありません。
ライフプランへの深刻な影響
パートナーのキャリア断絶や子供の転校、さらには親の介護といった重要なライフイベントが、組織の一方的な人事異動によって左右されるストレスは計り知れません。
自己決定権を重視する人にとって、この不自由さは「もったいない」を通り越して「きつい」と感じる決定的な要因になり得ます。
家族の生活設計を公務員特有のルールに委ねなければならない状況は、特に結婚や出産を控えた世代にとって大きな不安要素となります。
「住む場所も仕事内容も自分で決められない」という現実は、薬剤師としてのキャリア形成だけでなく、一人の人間としての幸福度にも関わる重要な問題だと私は考えています。
安定という恩恵を受ける一方で、この自由の制約をどこまで許容できるかが、後悔しないための分かれ道になるでしょう。
薬剤師が公務員としてもったいない回避をする判断基準

「もったいない」という言葉に惑わされず、自分にとって最適な道を選ぶためには、公務員という職業の「本質」を正しく理解する必要があります。
表面的な年収だけでなく、その裏にあるメリットとデメリットを天秤にかけてみましょう。
保健所や薬務課の仕事内容と向き不向きの徹底検証

公務員薬剤師として働く最大の魅力であり、同時に「もったいない」と議論される最大の火種が、行政職としての特殊な業務内容にあります。
保健所や県庁の薬務課での仕事は、病院や薬局のように「目の前の患者さんを治療する」ことではありません。
その本質は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)などの法体系に基づき、「社会全体の健康システムが正しく機能するように管理・監督する」ことにあります。
いわば、地域の医療安全を裏側から支える「社会のルールを司る守護神」のような役割です。
具体的な業務は多岐にわたり、薬局や店舗販売業への立ち入り検査・指導、毒劇物の管理、麻薬・向精神薬の適正管理の監督、さらには献血の推進や食品衛生、環境衛生の維持まで含まれます。
これらの業務は、薬剤師免許という専門背景があって初めて遂行できる、公務員薬剤師にしか担えない「広域的な安全管理」です。
個人の病気を治すやりがいとは異なる、地域社会全体の健康を守っているという誇りを感じられるかどうかが重要になります。
| 項目 | 行政薬剤師に向いているタイプ | 行政薬剤師に向かないタイプ |
|---|---|---|
| 価値観 | 公平性やルールの遵守を重視 | 個別の患者貢献を最優先したい |
| 適性 | 文書作成や調整業務が得意 | 調剤や服薬指導のみに没頭したい |
| 視野 | 地域の公衆衛生に関心がある | 最新の臨床知識のみを極めたい |
行政職に向いているタイプ
- 法律や制度の運用、公正な判断に関心がある
- マルチタスクや関係各所との調整業務が得意
- 「一人の患者さん」より「地域の公衆衛生」を改善したいという志がある
一方で、毎日白衣を着て調剤室に立ち、最新の薬物治療に没頭したいという方には、行政職はミスマッチになる可能性が高いでしょう。
行政の仕事は、専門知識を「行政処分や指導」という形のアウトプットに変える作業が多いため、「薬剤師というよりは行政マン」としての自覚が求められます。
自分が「薬剤師の免許を使って、どのような形で社会に貢献したいのか」を深く自問自答することが、後悔しない選択への第一歩です。
また、こうした行政実務の経験は、将来的に民間の製薬企業や卸の管理薬剤師、あるいは薬局チェーンのコンプライアンス部門へ転職する際、「行政側の視点を持つ専門家」として高く評価される武器にもなり得ます。
今の不安が、視点を変えれば独自の強みに変わる可能性も秘めているのです。
最終的な判断は、各自治体の業務説明会などを通じて現職の声を聴き、慎重に検討することをお勧めします。
退職金や福利厚生を含めた生涯年収の安定性を比較

公務員の給与体系について、目先の初任給の低さだけで「もったいない」と断じるのは、私は非常に早計だと考えています。
公務員薬剤師の真価は、現役時代の月給のみならず、「長期的な安定昇給」と「手厚い退職金」を合算した生涯年収の視点で初めて見えてくるからです。
地方公務員の平均年収は約615万円前後という推計もあり、これは地域の中小規模の薬局と比較しても、決して引けを取らない水準です。
| 比較項目 | 公務員薬剤師 | 民間薬剤師 |
|---|---|---|
| 平均年収の推移 | 定年まで着実に上昇 | 若いうちに頭打ち傾向 |
| 退職金の目安 | 約2,000万円超も可能 | 企業規模により数百万〜 |
| 福利厚生の充実 | 住居・扶養手当が強固 | 会社規定に左右される |
(出典:総務省:地方公務員給与の実態調査結果)
また、制度化された各種手当(住居手当、扶養手当、地域手当など)が確実に支給される点も大きなメリットです。
民間の場合は経営状態によってカットされるリスクがありますが、公務員は条例に基づき守られています。
さらに、圧倒的な社会的信用の高さから、住宅ローンの低金利優遇を受けやすいといった、現金以外の経済的恩恵も無視できません。
産休・育休からの復職率が極めて高く、キャリアを中断せずに働き続けられる環境は、特にライフイベントを重視する層には最適です。
生涯を通じたトータルの収入と生活の安定度で見れば、公務員は決して「もったいない」選択肢ではなく、むしろ堅実で賢いキャリア形成の一つだと言えます。
正確な退職手当の算定や福利厚生は各自治体ごとに異なるため、必ず公式の給与条例や募集要項をご確認ください。
中途採用求人の探し方と面接や論文対策のポイント

公務員薬剤師への道は、決して新卒だけの特権ではありません。
私自身、周囲のキャリアを見渡すと、民間の現場を経験した後に「社会基盤の整備に携わりたい」と志し、中途採用(社会人枠)で合格を手にする方が増えていると感じます。
近年は多くの自治体で年齢制限の緩和が進んでおり、30歳前後、あるいは自治体によってはそれ以上の年齢でも受験可能なケースが珍しくありません。
民間での実務経験は、行政の現場でも「現場を知る専門家」として高く評価される傾向にあります。
| 情報源 | 得られるメリット | 活用のコツ |
|---|---|---|
| 自治体公式HP | 最も正確な募集要項 | 試験日程の早期把握 |
| 転職エージェント | 非公開の公的求人情報 | 面接や論文の添削依頼 |
| 人事委員会サイト | 過去の試験問題・倍率 | 出題傾向の分析 |
(出典:総務省:地方公務員採用試験の実施状況)
効率的な求人探しには、自治体ごとの人事委員会サイトをブックマークするのはもちろんですが、薬剤師専門の転職エージェントを活用するのも非常に有効です。
エージェント経由でしか出回らない国立病院機構や公立病院の募集情報、さらには「なぜ今の高年収を捨ててまで公務員なのか」という中途特有の厳しい質問に対する想定問答の準備など、一人では限界がある対策を強力にバックアップしてくれます。
特に面接や論文対策で重要となるのは、民間での経験を単なる職歴としてではなく、民間での実務経験を「行政課題の解決」に繋げる独自の視点として提示することです。
「現場で感じた医薬品提供体制の課題を、制度の運用側から改善したい」といった、公共性の高い動機を具体的かつ論理的に語る準備をしましょう。
この「現場を知っている」という強みこそが、新卒にはない中途採用者最大の武器となり、もったいないという周囲の声を跳ね除ける説得力へと変わります。
ただし、社会人枠の試験は募集期間が短く、突然公示されることも多いため、アンテナを高く張っておくことが成功の鍵となります。
まずは自分が希望するエリアの過去の募集実績を確認し、今の仕事と並行して無理なく準備を進められるスケジュールを組むことから始めてみてください。
正確な情報は必ず各自治体の公式サイトで募集条件を直接確認するようにしてくださいね。
民間への転職も視野に入れたキャリア設計の進め方

公務員という職種に対して「一度入ったら定年まで辞められない」という閉鎖的なイメージを持つ必要はありません。
むしろ、薬剤師免許という国家資格を保持している以上、万が一組織が合わなかったとしても、いつでも臨床現場や企業へと戻れる「強力なセーフティネット」を私たちは既に持っています。
さらに言えば、行政機関で培った実務経験は、民間企業から見れば非常に魅力的なキャリア資産となります。
| 転職先候補 | 公務員経験の活かし方 | 期待される強み |
|---|---|---|
| 製薬企業(薬事・品質保証) | GQP・GVP等の省令遵守 | 行政側の審査視点 |
| 調剤チェーン(本部) | 全店舗のコンプライアンス管理 | 法規に基づいた適正運営 |
| 医薬品卸(管理薬剤師) | 医薬品の適正流通管理 | 行政手続きへの習熟 |
キャリア設計のポイント:「行政のルールを知る薬剤師」は、法令遵守(コンプライアンス)が厳格化している現代の民間企業において、唯一無二の希少価値を発揮します。
例えば、薬機法に基づく立ち入り検査や許認可事務の経験があれば、企業側で「行政がどのような視点でチェックを行うか」を先回りして指導できるコンサルタント的な立ち回りも可能です。
私がお勧めする考え方は、「まずは公務員として社会を司るルールを学び、数年後にその知見を引っ提げて民間の高待遇求人を狙う」という戦略的なキャリア設計です。
このように「行政と民間の架け橋」になれる人材は市場価値が非常に高く、もったいないという不安を、自分だけの強みを築くための大きな武器へと変えることができます。
「公務員」という選択をゴール(終着点)にするのではなく、多様な経験を積むための貴重なプロセス(通過点)として捉えることで、将来の選択肢は劇的に広がります。
最新の転職市場における公務員経験者のニーズについては、薬剤師専門のエージェント等を通じて定期的に確認しておくと、より客観的な視点で自身のキャリアを俯瞰できるはずです。
正確な情報は各転職支援サービスの公式サイトや個別のキャリアカウンセリングにてご確認ください。
関連記事
令和7年 人事院勧告・報告の概要(PDF)
https://www.jinji.go.jp/content/000011723.pdf
令和7年 人事院勧告(トップ)
https://www.jinji.go.jp/seisaku/kankoku/archive/r7/r7_top.html
職種紹介・先輩職員からのメッセージ(資格免許職)/千葉県
https://www.pref.chiba.lg.jp/jinji/ninyou/saiyoushiken/shokushu/shikaku.html
まとめ:後悔しない薬剤師の公務員選びともったいないの結論

結局のところ、薬剤師が公務員になるのがもったいないかどうかは、「何に人生の価値を置くか」という一点に集約されます。
短期間での高収入や臨床スキルの極致を求めるなら、民間が適しているでしょう。
しかし、ワークライフバランスを保ち、制度の面から国民の安全を支える誇り、そして老後まで続く揺るぎない安定を求めるなら、公務員は最良の選択肢の一つです。
もったいないを避けるためのまとめ
- 行政機関(保健所等)か臨床機関(公立病院等)か、配属先の特性を理解する
- 目先の給与差よりも、生涯年収と福利厚生のメリットを重視する
- 副業禁止や異動などの制約を、安定の対価として納得できるか考える
公務員の給与体系や試験科目は、年度や自治体によって頻繁に改定されます。
後悔しないためにも、必ず志望先の最新の募集要項や公式データを直接確認するようにしてください。
また、実際に公務員として働く先輩に話を聞くなど、一次情報に触れることで、イメージと現実のズレを最小限に抑えることができます。
皆さんが自分らしく、誇りを持って働ける場所を見つけられることを心から願っています。
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