インターネットで「塩野義製薬」と検索すると、「やばい」というキーワードが目に付き、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
主力製品の将来性や、ヤバイと噂される早期退職、退職金の動向、過去の不祥事に関する情報が散見されるためです。
特に、会社の重要な役割を担う研究職の待遇や、私たちの生活に身近な市販薬の事業についても気になるところでしょう。
この記事では、そうした様々な評判を多角的に検証し、客観的な情報に基づいて塩野義製薬の実態を深く掘り下げて解説します。
記事のポイント
- 「やばい」と言われるネガティブな評判の具体的な理由
- 働きやすさなどポジティブな評判と企業の実態
- 就職や転職を考える上で重要なポイント
- 多角的な情報から判断する塩野義製薬の総合的な評価
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なぜ塩野義製薬はやばいと言われる?噂の真相
塩野義製薬が「やばい」と評される背景には、いくつかの懸念材料が存在します。
ここでは、ネガティブな評判が立つ主な理由を一つひとつ見ていきます。
- 主力製品の特許切れと将来性
- 業績不安定さがヤバイという声
- 給与・待遇の変化と退職金制度
- 希望退職や早期退職の実施
- 過去の不祥事に関する噂と実態
- 若手が活躍しにくいという指摘
主力製品の特許切れと将来性
塩野義製薬の将来性について語る上で、主力製品の特許切れ問題は避けて通れないテーマです。
これが「やばい」と言われる最も大きな理由の一つと考えられます。
具体的には、同社の収益の大きな柱である抗HIV薬のロイヤリティ収入が、2028年に特許期間の満了を迎える「パテントクリフ(特許の崖)」に直面します。
この特許切れにより、後発医薬品が登場し、これまで得られていた巨額のロイヤリティ収入が大幅に減少するリスクが懸念されています。
ただ、塩野義製薬もこの課題を認識しており、中期経営計画「STS2030 Revision」を策定しています。
この計画では、新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」のような自社開発の新薬や、ワクチン事業、海外展開の強化などを通じて、新たな収益の柱を育てる方針を明確に示しています。
同社が持つ高い創薬能力を活かし、この経営課題を乗り越えられるかが、今後の成長の鍵を握っていると言えるでしょう。
業績不安定さがヤバイという声
塩野義製薬の業績が不安定で、将来が読みにくいという声も「ヤバイ」という評判につながっているようです。
これは、製薬業界全体に共通する課題でもあります。
新薬開発は莫大な投資と長い期間を要する一方で、成功確率は決して高くありません。
また、定期的に行われる薬価改定も、収益に直接的な影響を与えます。
年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
売上高 | 3,679億円 | 3,333億円 | 2,971億円 | 3,351億円 | 4,266億円 | 4,350億円 |
営業利益 | 1,450億円 | 1,306億円 | 1,174億円 | 1,103億円 | 1,490億円 | 1,533億円 |
上記の表は、塩野義製薬の近年の業績推移です。
表を見ると、売上や利益には波があることが分かります。
例えば、2023年3月期は「ゾコーバ」の貢献により過去最高の業績を記録しましたが、このように一つの製品の成否が業績を大きく左右する構造は、不安定であるという印象を与えかねません。
この業績の変動が、将来性に対する不透明感として捉えられています。
給与・待遇の変化と退職金制度
給与や待遇に関する制度変更が、一部の社員から不満の声として挙がっていることも事実です。
特に、以前は手厚いことで知られていた住宅手当が廃止されたことは、社員の生活設計に影響を与える大きな変化でした。
現在は、働き方の多様化を支援する目的で「ワークスタイル手当」が導入されていますが、この変更に対しては様々な意見が見られます。
平均年収の推移を見ると、2022年3月期に一時的に落ち込みましたが、その後は回復傾向にあります。
有価証券報告書によると、平均年収は900万円台の高い水準を維持しており、国内企業全体で見れば高給与であることは間違いありません。
退職金制度については、確定拠出年金制度が導入されており、社員の長期的な資産形成をサポートする仕組みが整っています。
しかし、前述の通り、各種手当の見直しが進んでいるため、入社を検討する際は、給与体系の全体像をよく確認することが大切になります。
希望退職や早期退職の実施
2023年5月に、塩野義製薬がMR(医薬情報担当者)などを対象とした希望退職者の募集を発表したことも、「リストラが始まったのでは?」という憶測を呼びました。
この希望退職の募集は、約20年ぶりとなる大規模なもので、単体社員数の約8%にあたる200人程度が対象とされました。
これだけを見るとネガティブな印象を持つかもしれませんが、会社の発表では、これを「人材ポートフォリオの見直しを加速するため」と説明しています。
つまり、業績不振によるリストラというよりは、事業構造の変化(例えば、デジタル化の推進によるMRの役割の変化)に対応し、組織の新陳代謝を促す戦略的な人員再編という側面が強いようです。
実際、この時期の業績は好調でした。
とはいえ、大規模な早期退職の実施は、社内外に少なからず動揺を与えたと考えられます。
過去の不祥事に関する噂と実態
企業評価において、過去の不祥事は重要な判断材料となります。
塩野義製薬に関しても、いくつかの事例が報告されています。
税務申告漏れの指摘(最終的に勝訴)
過去に、HIV治療薬の開発を巡り、大阪国税局から約400億円の申告漏れを指摘されたことがありました。
しかし、この件に関して塩野義製薬は国を相手取って訴訟を起こし、最終的に勝訴しています。
その結果、課税処分は取り消されており、この件は法的に不祥事ではなかったことが確定しました。
医薬品の販売情報提供活動に関する行政指導
一方で、2023年には、アレルギー性鼻炎治療薬「アシテア」の販促を目的とした医師向け講演会において、国のガイドラインに違反する内容があったとして、厚生労働省から行政指導を受けました。
具体的には、承認された用法とは異なる使用の推奨や、誇大な表現などが問題視された模様です。
この件について、塩野義製薬は指導を真摯に受け止め、再発防止策を策定・実施することを公表しています。
コンプライアンス遵守は企業の生命線であり、今後の取り組みが注視されます。
若手が活躍しにくいという指摘
社内の企業文化として、年功序列の風土が色濃く残っており、若手社員が活躍しにくいという声も一部で聞かれます。
口コミサイトなどでは、「上司の評価が出世に大きく影響する」「実力があっても、なかなか重要なポジションに就けない」といった意見が見られます。
意欲の高い若手社員にとっては、成長スピードに物足りなさを感じる可能性があるかもしれません。
ただし、会社側もこの課題は認識しているようです。
近年、新しい人事制度の導入を進めており、年齢に関わらず実力のある人材を抜擢する仕組み(例:20代での課長級への登用)を整えようとしています。
古き良き日本企業の体質から、より成果主義的な組織へと変革しようとする過渡期にあるのかもしれません。
本当に塩野義製薬はやばい?良い評判と実態
ネガティブな評判がある一方で、塩野義製薬には働きやすさや安定性を評価する声も数多く存在します。
ここでは、ポジティブな側面から企業の実態を探ります。
- ホワイト企業という評判は本当か
- 高い社員定着率と平均勤続年数
- 塩野義製薬の研究職の働きがい
- 市販薬事業の強みと製品展開
- 残業が少なく働きやすい労働環境
ホワイト企業という評判は本当か
塩野義製薬は「ホワイト企業」であるという評判が多くの口コミで見られます。
その根拠となっているのが、働きやすい労働環境です。
特に、有給休暇の取得しやすさには定評があり、「休暇申請を断られたことはない」といった声も聞かれます。
また、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも5年連続で認定されるなど、客観的な評価も得ています。
これらの事実は、社員の健康やワークライフバランスを重視する企業姿勢の表れと言えるでしょう。
高い社員定着率と平均勤続年数
企業の働きやすさを測る指標として、社員の定着率や平均勤続年数が挙げられます。
この点において、塩野義製薬は非常に高い水準を誇っています。
勤続年数 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
---|---|---|---|---|---|
全体 | 15.7 | 16.0 | 16.5 | 15.1 | 15.2 |
男性 | 16.0 | 16.3 | 16.6 | 15.2 | 15.4 |
女性 | 15.0 | 15.2 | 16.0 | 14.8 | 14.8 |
データ参照:塩野義製薬公式ページ
データによると、平均勤続年数は15年を超えており、これは日本の企業平均を大きく上回る数値です。
これらのデータは、多くの社員が長期的に安心して働ける環境が整っていることを示唆しており、「やばい」という評判とは異なる実態を映し出しています。
塩野義製薬の研究職の働きがい
創薬型製薬企業である塩野義製薬にとって、研究職は事業の根幹を支える重要な存在です。
そのため、研究職がやりがいを持って働ける環境づくりに力を入れています。
公式サイトの採用情報などによると、同社には研究者の純粋な探究心を尊重する風土が根付いているとされています。
若手であっても主体的に新規テーマを提案することが奨励され、挑戦を後押しする文化があるようです。
また、最新鋭の研究設備が整った研究所や、国内外の研究者と交流できるオープンイノベーションの機会も豊富に用意されています。
自身の専門性を高め、画期的な新薬創出に貢献したいと考える研究者にとって、非常に魅力的な環境が提供されていると考えられます。
市販薬事業の強みと製品展開
塩野義製薬は、医療用医薬品だけでなく、グループ会社であるシオノギヘルスケアを通じて、一般用医薬品(市販薬)事業も展開しています。
この事業も、会社の安定した基盤を支える重要な柱です。
私たちの生活に馴染み深い製品も多く、解熱鎮痛薬の「セデス」、かぜ薬の「パイロンPL」、皮膚薬の「リンデロンVs」、保健剤の「ポポンS」などは、長年にわたって多くの人々に使用されてきました。
これらの知名度の高いブランドを多数保有していることは、大きな強みです。
医療用医薬品事業が持つ開発リスクを補完し、安定した収益源として会社経営に貢献しています。
残業が少なく働きやすい労働環境
前述の通り、塩野義製薬がホワイト企業と評される大きな理由の一つに、残業時間の少なさが挙げられます。
各種口コミサイトの情報を総合すると、月間の平均残業時間は20時間程度となっており、これは業界内でも少ない部類に入ります。
さらに、会社の公式データでも、従業員の年間所定労働時間は年々減少傾向にあることが示されています。
この背景には、フレックスタイム制度の導入や、希望する社員が週休3日を選べる制度(2022年度より導入)など、柔軟な働き方を推進する会社の取り組みがあります。
仕事とプライベートの両立を重視する人にとっては、非常に働きやすい環境が整っていると言えそうです。
就職視点で見る塩野義製薬はやばいのか
ここまでネガティブな評判とポジティブな評判の両面から見てきましたが、これから就職や転職を考える人にとっては、どのような企業なのでしょうか。
最後に、採用の観点から塩野義製薬を分析します。
- 塩野義製薬の就職難易度は高い?
- 充実した福利厚生と近年の変化
- 採用大学と学歴フィルターの有無
- 塩野義製薬が求める人物像とは
塩野義製薬の就職難易度は高い?
結論から言うと、塩野義製薬への就職難易度は非常に高いと考えられます。
その根拠として、東洋経済オンラインが発表している「入社が難しい有名企業ランキング」では、常に上位にランクインしており、2024年のランキングでは114位でした。
これは、数ある企業の中でもトップクラスの難易度であることを示しています。
また、採用倍率も非常に高い水準です。
リクナビのプレエントリー候補リスト登録者数から計算すると、採用倍率は150倍を超えることもあります。
研究職をはじめとする専門性の高い職種が多く、歴史と実績のある大手製薬企業であることから、全国の優秀な学生からの応募が殺到するため、内定を勝ち取るのは容易ではありません。
充実した福利厚生と近年の変化
塩野義製薬の福利厚生は、総じて手厚い制度が整っています。
各種社会保険の完備はもちろん、財産形成支援制度や自己啓発支援など、社員の生活とキャリアを多方面からサポートする仕組みがあります。
特に育児支援には力を入れており、子育てサポート企業として厚生労働大臣から「くるみん」認定を受けています。
育児休業や短時間勤務制度などが充実しており、仕事と育児を両立しやすい環境です。
ただし、「給与・待遇の変化と退職金制度」の項で触れたように、近年は制度の見直しも進んでいます。
例えば、住宅手当が廃止され、代わりに在宅勤務などを補助する「ワークスタイル手当」が導入されました。
このように、福利厚生の内容は時代や働き方の変化に合わせて更新されていくため、最新の情報を確認することが大切です。
採用大学と学歴フィルターの有無
採用実績を見ると、塩野義製薬に明確な学歴フィルターは存在しないと考えられます。
採用実績校には、北海道大学や東京大学といった旧帝大から、全国の国公立、私立大学まで、幅広い大学の名前が挙がっています。
しかし一方で、大学通信オンラインが公表している採用大学ランキングでは、難関大学が上位を占めているのも事実です。
これらの情報から、出身大学名だけで不採用になることはないものの、結果として研究開発などで高い専門性を持つ難関大学の学生が多く採用されている、という実態がうかがえます。
専門知識や論理的思考力が求められる選考過程において、高いレベルの学術研究を行ってきた学生が有利になる傾向はあるかもしれません。
塩野義製薬が求める人物像とは
塩野義製薬がどのような人材を求めているかを知ることは、選考を突破する上で非常に重要です。
同社の採用情報や理念から、主に3つの要素が浮かび上がってきます。
チャレンジ精神のある人
同社は中期経営計画で「HaaS(Healthcare as a Service)企業への変革」を掲げており、従来の医薬品事業にとらわれない新しい挑戦を続けています。
そのため、変化を恐れずに新しいことに果敢にチャレンジできる人材を高く評価しています。
主体性のある人
「人が競争力の源泉」という人材育成理念のもと、社員一人ひとりの自律的な成長を支援するプログラムを多数用意しています。
与えられた業務をこなすだけでなく、自ら課題を見つけ、最後までやり遂げる主体性が求められます。
顧客への貢献意識が高い人
「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針に共感し、患者さんをはじめとする顧客のために何ができるかを考え、行動できる人物像が理想とされています。
これらの要素を自己分析と結びつけ、自身の経験を通じてアピールすることが内定への近道となるでしょう。
まとめ:塩野義製薬がやばいかは多角的な視点で
この記事を通じて、塩野義製薬にまつわる様々な評判を検証してきました。
最後に、本記事の要点をまとめます。
- 「やばい」と言われる背景に主力製品の特許切れ問題がある
- 2028年のパテントクリフは大きな経営課題
- 業績は新薬開発の成否に左右され不安定な側面も
- 住宅手当廃止など給与・待遇面の変化に不満の声も
- 2023年には約20年ぶりとなる早期退職を募集
- 過去には税務調査での指摘や販促活動での行政指導があった
- 年功序列の風土が残り若手が活躍しにくいとの指摘も
- 一方で残業が少なくホワイト企業という評判は根強い
- 平均勤続年数は長く社員の定着率は高い水準
- 創薬型企業として研究職にはやりがいのある環境
- セデスなど知名度の高い市販薬も事業の柱
- 就職難易度は非常に高く人気企業であることがわかる
- 福利厚生は手厚いが制度の見直しは進んでいる
- 求める人物像はチャレンジ精神と主体性を持つ人材
- ネットの評判だけでなく多角的な情報で判断することが大切
本記事では、「塩野義製薬はやばい」という評判について、その背景にある様々な要因を多角的に解説しました。
主力製品の特許切れや早期退職といった将来性に関する懸念材料が存在する一方で、平均勤続年数が長く、残業が少ない「ホワイト企業」として評価されている側面も持ち合わせています。
このように、インターネット上の評判や一つの情報だけで企業の実態を判断することは難しいと考えられます。
今回提供した客観的なデータや、社員の方々の口コミから見える多角的な視点が、あなたが塩野義製薬という企業を深く理解し、今後のキャリアを考える上での一助となれば幸いです。
最終的には、ご自身の価値観と照らし合わせ、慎重に判断することが大切です。
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